お口のQ&A

お口の中のいろいろな疑問にお答えします。

唾液の少ない子は虫歯になりやすいって聞いたのですが?

唾液には食べ物の消化をうながす効果(消化作用)、お口の中をきれいに保つ効果(自浄作用)、体内のpHを正常に保とうとする効果(緩衝能作用)があります。
一般的に子どもは、大人と比較して唾液量は多めですが、その量には唾液を作る唾液腺や自律神経の発達度などにより、個人差があります。
唾液の少ない子は多い子に比べ、自浄作用や緩衝能作用が弱いため、虫歯の発生は多くなります。
また一日の中で、唾液の量は変化します。
夜間は日中よりも唾液の量が少なくなります。
そのため夜寝る前にスナック菓子等を食べ、ブラッシングをせずに寝てしまうと、著しく虫歯になりやすくなります。

ブラッシングをしていても常に虫歯になりやすい子は、唾液の質が違うと聞きましたが、本当でしょうか?

一人ひとりの唾液の性質はみな違います。
その違いは虫歯の原因となる細菌に対しての抗菌効果や、細菌が生産した“酸”を中和するための緩衝能力などの差として現れます。
これらが虫歯になりやすいかどうかに密接に関係しています。
ただ、ブラッシングをきちんとしていても虫歯になりやすいというのは、唾液の性質の違いよりも、その子にあったブラッシングが出来ていないことの方に原因が考えられます。
いかに虫歯の原因となる歯垢(細菌)を取り除くか。すなわちそれぞれの子どもにあった、正しいブラッシングを身に付けることが重要となります。

唾液の性質を調べる検査は、どこの歯医者さんでも診ていただけるのでしょうか?

唾液の性質は簡単な検査で判定することができます。
検査を行っている歯科医院と行っていない歯科医院がありますので、かかりつけの歯科医院に相談してみて下さい。
ただ、予防のための場合や、検査の必要性が認められない時などは、保険診療の適用になりません。これもかかりつけの歯科医院にご相談下さい。
検査方法には、おおむね2通りの検査方法があります。
○口の中のの細菌を直接採取して検査する方法や
 皮膚に貼り付け体温変化を調べることにより、細菌量を検査する方法
○唾液の流出量を検査する方法
があります。
歯科医院で多く行われているのは、細菌を検査する方法です。

ストレスが虫歯や口臭の原因になるとお聞きしたのですが?

ストレスが増加すると自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを崩します。
交感神経は粘性をもった唾液、副交感神経はさらさらとした唾液の働きを管理しています。
通常は、交感神経と副交感神経はお互いにバランスをとって働いています。
ストレスによるのバランスの崩れで交感神経が優位になると、正常な唾液の割合が崩れ、多量に流出すべきさらさら唾液が減少し、交感神経性の粘性唾液が増え、口の中が乾燥してきます。
口の中が乾燥すると、自浄作用、緩衝能作用が失われるため、虫歯及び口臭の原因となる場合もあります。

虫歯になりそうな歯があると言われましたが、どうしたらいいですか?

虫歯になりそうな歯とは、“要観察歯”のことだと思います。
初期カリエス(虫歯になる可能性の高い歯)は脱灰(虫歯に進行)と再石灰化(虫歯の修復)を繰り返しております。
適切なブラッシングを行っていないなど、口の中の状態が悪いと脱灰が強く現れます。再石灰化が抑制され、“要観察歯”は簡単に虫歯になってしまいます。
「虫歯になりそうな歯がある」と注意を受けた子どもさんは、より正しいブラッシングと適切な食事指導により、口の中の環境を整える必要があります。
かかりつけの歯科医院や学校で指導方法などをご相談下さい。

虫歯になりそうな歯で前回受診をしましたが、2回目も受診の必要がありますか?

虫歯になりそうな“要観察歯”は、口の中の環境をより整える必要があります。
適切な食事指導と正しいブラッシングが必要なため、これらをしっかり身に付け、口の中の環境がより良い状態になるまで指導を受ける必要があります。
“要観察歯”の中には治療を要する虫歯も含まれる場合もあります。
“要観察歯”は適切な保健指導と事後措置を行う必要がありますが、一定期間後に再検査を行い、治療をが必要と判断されればその時点で虫歯治療を行うことになります。

歯につめたものが取れてしまった場合、どのように対処すればよいでしょう?

つめたものが取れてしまう場合には、つめものを接着する材料(歯科用セメント)が溶けてしまったり、つめた周りが再度虫歯になり取れてしまう場合があります。
虫歯がなければ、取れてしまったものはすぐ付けなおす事もできます。
なくさないように保管し、かかりつけの歯科医院にてご相談下さい。
そのまま放置すると歯が移動してしまってつめものが付かなくなってしまうこともありますし、虫歯になったりすることもあります。早めに受診するようにして下さい。